筑波技術大学で触覚書道のミニ体験会を開催しました!

年明け早々、筑波技術大学の大杉先生からメールをいただきました。
点字毎日新聞で触覚書道の存在を知り、聴覚障害者が学ぶ天久保キャンパスで触覚書道の出張体験会を行ってほしい、というご依頼でした。


「なぜ聴覚障害の先生から?」と思い主旨をおうかがいしたところ、次のようなお話でした。
『盲ろうの森さんが私の研究室にいます。まずは森さんを中心に何人かのろう者で体験会ができたらと思っています。
“文字を書く・味わう”ことは書道の楽しさの一つです。触覚書道なら森さんと一緒に楽しめるのではないか、そして今後の触覚型の文化芸術活動の発展に向けて何かヒントが得られるのではないかと考えています。
まず5〜6人ほどの体験会ができれば、次は視覚障害学生と聴覚障害学生が一緒に楽しむ体験会につなげられたらと思っています。』

筑波技術大学では2025年4月、視覚障害学生と聴覚障害学生が協働して学ぶ「共生社会創成学部」が新設されました。
触覚書道が、その新しい学びの一つの方法になるのではないか──先生にはそのようなお考えがあるのだと理解しました。

ちょうど同じ頃、当協会では日本障害者リハビリテーションセンターからの依頼で、障害をもつ海外研修生向けのワークショップを実施していました。
(その模様はこちらから ↓ ↓ ↓)

この体験を通して、触覚書道には「視覚障害の方に書道を楽しんでいただく」という当初の目的からさらに発展し、
「文字を通して自己表現することで、障害のある人が自ら創り出す喜びを体験する」
という可能性があることを実感しました。

そこで、大杉先生のご依頼をお引き受けすることにしました。

そして今回の新しい試みとして、
物質・材料研究機構の石井先生とのコラボ企画を行い、
前半:触覚書道
後半:「DOT PAD」を用いた漢字の触察
という二部構成の体験会を実施しました。

実施日は3月9日。

参加者は
主催の大杉先生、森さん、卒業生の方、事務の方、
共生学部・視覚障害学部の先生方、
さらに東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京から5名、
通訳の方々も加わり、賑やかな会となりました

【触覚書道】
まず、触覚書道を始めたきっかけとこれまでの活動をご紹介しました。

続いて「天」という字を題材に、漢字の歴史的な変遷を味わっていただきました。

森さんには指点字通訳の方が付き、
視覚障害の方には発泡スチロールに書いた文字を触っていただきながら説明を行いました。

そしていよいよ実習です。

楷書の基本である
横画・縦画・転折・左払い・右払い
を簡単に練習した後、各自が書きたい文字を書いていただきました。


完成した作品を交換し、互いに触りながら感想を述べ合います。

そこには
聴覚障害、視覚障害、晴眼者といった隔たりはなく、
和気あいあいとした楽しい時間が流れていました。

【DOT PADを用いた漢字の触察】
後半は、石井先生にバトンタッチ。
歴史を変えた「天」の字を古文書を通して触読・触察し、墨字の文化的役割を知るショートレクチャー。
三種類ほどの歴史的な「天」の文字を
「DOT PAD」を用いて触察しながら解説していただきました。
とても興味深い内容でした。

”DOT PAD”と触覚書道の出逢いはこちらから
↓ ↓ ↓

最後に参加者の皆さんから、次のような感想をいただきました。

・字を見たことがない人、墨字が分からない人も文字文化を楽しめると感じた。
・障害児の文化体験として個人に合った方法でできる可能性がある。
・触覚書道は書くだけでなく色をつけることもでき、現代アートとして楽しめる。
・互いの作品を触りながら交流できたのがよかった。
・アナログの触覚書道とデジタルのDOT PAD、両方を体験できてよかった。
・色を塗っていると子供時代に戻ったような気持ちになった。
・美術館と共に新しいものを作り出す機会になると思った。

この体験会の様子は、筑波技術大学のホームページで紹介されています。

https://www.tsukuba-tech.ac.jp/topics/2026/03/12001918.html

触覚書道が新しい共生社会をつくる一つの“駒”になれるのだとすれば、これほど嬉しいことはありません。

これからも、その可能性を広げていけるよう尽力していきたいと思います。

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