第5回グループ展に向けて広瀬浩二郎先生より素敵なメッセージを頂戴しました!

「第5回 眼と指で楽しむ 書の彫刻」開催を祝して

                   国立民族学博物館 広瀬 浩二郎

失明により、僕たちは文字の読み書きができなくなった

点字は僕たちに別の文字、別の生き方があることを教えてくれた
点字を獲得した僕たちは、物事を深く考え、自己の内面を表現できるようになる
でも、点字のメッセージは社会のマジョリティ(見常者)には届かない

触覚書道は、僕たちと見常者との情報交換・共有を可能とする
手を動かし、文字を書く
その楽しさ、感動に視覚障害の有無は関係ない

僕たちが書く文字は、僕たちが生きる証
一文字一文字に手のぬくもり、力強いエネルギーが宿る

僕たちの字に触れてほしい
指先から身体へ、目に見える表面から、目に見えない心理・真理へ
触覚書道の文字を介して、僕の手と、あなたの手が重なる

失明は得暗なり

触覚書道に出合えたことで、僕たちは得暗の喜びを実感する
点字は、世界と僕たちをつないだ
失明者が世界とつながるための200年の重みを噛みしめつつ、
僕たちは今、得暗者のプライドを胸に、触覚書道で世界をつなげたい

            (2025年=点字考案200周年に当たる記念の年に)

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